ウィズ・コロナと呼ばれる新しい生活様式の中で、三⼤都市圏(東京圏、名古屋圏、⼤阪圏)で暮らす人たちの移住への関心が高くなっているという調査結果があります。※
※「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」2020年6月21日内閣府より
移住への関心が高まるにつれ、移住に関する様々な情報が飛び交うようになりました。そんな情報が溢れる今だからこそ、「移住することがゴール」ではなく「欲しい暮らしは自分でつくる」意識を持って必要な情報を選択していただけたらと思っています。
今回の記事では、新潟暮らしの多様な形をお伝えするイベントレポートとして、先輩移住者の体験談をご紹介していきたいと思います。
2019年9月28日、新潟への移住希望者に向けたイベントが新潟県の主催で開催されました。コウダイ企画室。では、このイベントの企画プロデュースからゲストのキャスティング、当日のモデレーターまで広く関わらせていただきました。
イベントを行う上で大切にしたのは、「リアルな新潟の住まい(住宅事情や暮らし)を伝える」ということ。移住希望者向けの様々なイベントが開催される中、「住まい」に特化したテーマ設定はあまりないと感じていたことから「住まい」をテーマとすることを提案。関係者のご理解・ご協力を得て、下記のようなイベントを開催することになりました。
イベント第一部のゲストトークで、東京から新潟へ移住したゲスト、鈴木亮平さんと小林梨絵さんのお二人からお話を伺いました。
ゲスト鈴木亮平さん:新潟市在住(Uターン移住者)
秋田出身で、5歳で新潟に転居しました。山形の大学を経て東京で就職し、神楽坂徒歩7分、25平米 家賃85,000円の賃貸物件に住んでいました。
もともと田舎が好きだったため将来Uターンしたいと考えており、東日本大震災を機に、28歳で新潟にUターンしました。29歳で新潟の企業に転職し、45平米43,000円の賃貸物件に転居。新たな仕事を楽しみながら暮らすことができました。
35歳でフリー編集者、ライター、カメラマンとして活動を開始し、現在は63平米、家賃60,000円、駐車場2台の住まいにて、家族4人暮らしをしています。
新潟での給与水準は東京より低いものの、家賃が安いため、無理をせず暮らすことができると感じています。
ゲスト小林梨絵さん :三条市在住(Iターン移住者)
夫の転職により、2013年に東京から新潟県三条市へ移住しました。山奥ではなく生活に必要なものが揃う地域で、680坪の土地を購入し、小さな家を建て、ヤギと共に暮らしています。
環境の良いところで子育てをしたいという思いがあり、住まいを探しました。680坪の敷地内では通年でキャンプが楽しめるので、四季を色濃く感じられます。また、こどもが通う「森のようちえん」は、主体的に生きていくことを楽しく学べる素晴らしい幼稚園です。ヤギはもともと、雑草対策として飼うことにしたのですが、今では私たち家族の癒しの存在になっています。
モデレーターを務めた、代表の小林紘大からも少しだけ「自分の住まい」のお話をさせていただきました。
モデレーター小林紘大:新潟市在住
2016年より新潟市の賃貸集合住宅「グリーンホームズ新潟」に入居し、現在家族3人で暮らしています。春は鳥のさえずり、秋は紅葉を楽しむことができる庭園が近くにあります。入居者コミュニティでのイベントを楽しんだり、冬は除雪作業で助け合ったり、個人で開業している人同士での仕事のやりとりもあって、人とのつながりを感じながら暮らしています。
これから住宅を選ぼうという時には、自分自身の暮らしの「過去・現在・未来」を考えることが大切です。そこでイベント第一部の最後に、新潟暮らしの「過去・現在・未来」というテーマでトークセッションを行いました。ゲストのお二人からは新潟での住宅選びの時に感じたことや考えたことをお話いただきました。
ゲスト鈴木亮平さん:新潟市在住(Uターン移住者)
コスパのいい物件は新潟市中央区に集中していると感じます。選ぶならRC造がおすすめ。水周りが綺麗かどうか、窓が二重窓になっているかどうかもみて欲しいです。家賃については東京と比べると平米単価1/4くらいの感覚です。場所にもよりますが、例えば土地1,000万円、新築住宅2,500万円だとすると、頭金500万円で借り入れ3,000万円、月額8万円の支払いで31.2年で完済するイメージです。
ゲスト小林梨絵さん :三条市在住(Iターン移住者)
夫が新潟市の出身で、家族が新潟市にいたため、車で1時間圏内に子育てで頼れる人がいる場所を見つけたいと考えていました。転職がうまく行ったこと、家を建てたい思いがあったことから、三条市に住むことを決めました。
トークセッションの後に、市町村ツアーPRタイムと個別相談会、イベント終了後に任意参加の懇親会を行いました。個別相談会、任意参加の懇親会については多くのご家族にご参加いただくことができました。
様々な移住イベントがある中で「住まい」にフォーカスしたものはあまりないと思います。また今回はゲストが体験談を語り、そのまま懇親会でも交流できるという参加者とゲストとの距離が近いフラットなスタイル。新潟移住のリアルな面がお伝えできたのではと思います。こういったイベントを通じ、参加者やゲスト、スタッフがつながり、数年先に新潟で出会うような小さなご縁をつくって行けたらと考えています。
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新潟暮らしの多様な形をお伝えするイベントレポートとして、先輩移住者の体験談をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。移住を検討される方の参考になれば幸いですし、新潟県内にお住いの方に新潟の「住まい」の魅力を再発見していただけたら嬉しいです。
文/ヤマシタナツミ